驚きの手順
ブログ引っ越し前に投稿した局面を再掲します。昨年12月7日に参加した川崎オープンからの一局。黒は私、白は鈴木祐太二段です。
黒番 黒の唯一の勝ち筋は?
私はここでa8→白a7→黒f8と打ったのですが、そこで白g8が好手。
ここで鈴木二段は白g8!
下辺に白から打てない3個空きを作らせたものの、白g8→黒h8→白g7!でh7に白の余裕手ができてしまい、結局偶数理論にハマってしまいました。実は、最初の局面には黒が奇数理論で勝利する手があったのです。
なんと黒g8が唯一の勝ち手! 以下白f8→黒e8→白d8となったのが次の局面。
ここまで進むと気づいた方もいると思いますが、ここで黒g7!が好手。以下白h8→黒h7→白h2→黒g2→白h1→黒g1→白c1→黒b1と一本道で次の局面へ。
黒は下辺、右辺、上辺と次々に白に辺を与え、とうとうここで白a7を強制できます。以下黒a8→白パス→黒c8で黒の8石勝ち。なんとも見事な打ちまわしです。
それでは、白がここで下辺に当てずにg7と打つのはどうでしょうか? それならば偶数理論を白が維持できるように見えますが、黒には好手順があります。白g7→黒a8→白a7→黒d8!!
なんと、これでc8が白の打てない1個空きになるため黒が奇数理論によって勝てるのでした(6石勝ちの形勢)。
実はこれと全く同じような手筋が品川スーパーリーグの「逆転の瞬間」に載っていました。第2回品川スーパーリーグ、綿引四段vs長島四段戦です。
黒番 最善手は?
ここでの最善手は黒h7! 以下白h6→黒h5→白h4となったのが次の局面。
ここで黒g7!と打ち、以下下辺と左辺を捨てていくことで最終的に白g1を強制することができます。右上の形は「末國トラップ」と呼ばれる形で、白g1に打たされては白勝てません。
綿引四段はこの展開を発見できずに負けてしまいました。この問題を読んでこの筋を知っていたはずの私も、鈴木戦の最初の局面にまさかその筋が使えるとは思いもつかず、負けてしまいました。ところがこの局面をPlayokで末國九段に見せたところ、小考の後にずばり「ここは黒g8が筋ですね」と言ったのです。末國九段の才能恐るべし。
しかし、私の知る限りではまだこの筋を実戦で使って勝った選手はいません。もしこんな筋で勝てたら、さぞ爽快でしょうね。
黒番 黒の唯一の勝ち筋は?
私はここでa8→白a7→黒f8と打ったのですが、そこで白g8が好手。
ここで鈴木二段は白g8!
下辺に白から打てない3個空きを作らせたものの、白g8→黒h8→白g7!でh7に白の余裕手ができてしまい、結局偶数理論にハマってしまいました。実は、最初の局面には黒が奇数理論で勝利する手があったのです。
なんと黒g8が唯一の勝ち手! 以下白f8→黒e8→白d8となったのが次の局面。
ここまで進むと気づいた方もいると思いますが、ここで黒g7!が好手。以下白h8→黒h7→白h2→黒g2→白h1→黒g1→白c1→黒b1と一本道で次の局面へ。
黒は下辺、右辺、上辺と次々に白に辺を与え、とうとうここで白a7を強制できます。以下黒a8→白パス→黒c8で黒の8石勝ち。なんとも見事な打ちまわしです。
それでは、白がここで下辺に当てずにg7と打つのはどうでしょうか? それならば偶数理論を白が維持できるように見えますが、黒には好手順があります。白g7→黒a8→白a7→黒d8!!
なんと、これでc8が白の打てない1個空きになるため黒が奇数理論によって勝てるのでした(6石勝ちの形勢)。
実はこれと全く同じような手筋が品川スーパーリーグの「逆転の瞬間」に載っていました。第2回品川スーパーリーグ、綿引四段vs長島四段戦です。
黒番 最善手は?
ここでの最善手は黒h7! 以下白h6→黒h5→白h4となったのが次の局面。
ここで黒g7!と打ち、以下下辺と左辺を捨てていくことで最終的に白g1を強制することができます。右上の形は「末國トラップ」と呼ばれる形で、白g1に打たされては白勝てません。
綿引四段はこの展開を発見できずに負けてしまいました。この問題を読んでこの筋を知っていたはずの私も、鈴木戦の最初の局面にまさかその筋が使えるとは思いもつかず、負けてしまいました。ところがこの局面をPlayokで末國九段に見せたところ、小考の後にずばり「ここは黒g8が筋ですね」と言ったのです。末國九段の才能恐るべし。
しかし、私の知る限りではまだこの筋を実戦で使って勝った選手はいません。もしこんな筋で勝てたら、さぞ爽快でしょうね。
2009-08-16 19:27
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コメント(5)
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考えg8と打てる人、
さらにすぐにg8と打てる人は世界に何人いるんでしょうか 汗
by NO NAME (2009-08-17 01:13)
今まではどちらもほとんどいなかったと思います。しかし私を始めとして、この記事や品川スーパーリーグ棋譜集を読んでこの筋を知った選手は多いと思います。知っているのと実戦で打てるのは別次元の話であるとはいえ、知らない筋を実戦で打つのは非常に困難です。たとえば、オセロ黎明期にはストーナーのかかる局面になっても、選手にその手筋の存在が知られていなかったために見過ごされたことが多々あったはずです。しかしその後ストーナーという筋が周知され、多くの選手がその筋の存在の念頭に入れて対局するようになり、実戦でも多くストーナーがかかるようになりました。多くの選手が今回の村上vs鈴木戦の筋を知り、その存在を念頭に入れて対局するようになれば、実戦でもこの筋が登場する可能性が増えていくと思います。誰が実戦でこの筋を決める第一号になるのか分かりませんが、その時はぜひその選手の名前をこの手筋の名前にしたいですね。ストーナーの伝統に倣って。
by murakami_takeshi (2009-08-18 16:11)
オセロは何年やっても新しい発見がありますよね。
序盤の暗記で勝負が決まる時代かと思えば案外そうでもない。
奥が深いですね(*'-')
by 長谷川 彰 (2009-08-19 12:45)
長谷川さん、こんにちは。 旧ブログでは技術的なことを色々と教えていただき、どうもありがとうございました。
オセロは本当に奥が深いですね! 私はもう26年オセロをしていますが、今でも試合をしていて最善手が分からない局面の方がはるかに多いですからね。全くすごいゲームです。
by murakami_takeshi (2009-08-19 17:27)
うん
分かりますよ
g8分かります
by いば (2015-03-30 04:06)