全日本選手権・東京ブロック大会

日曜日は全日本選手権大会・東京ブロック予選大会に参加しました。少し早めに会場につき、しばらく坂口九段、腰野三段、駒形五段、末國九段とおしゃべりしました。もう20年以上も前から東京ブロック大会で争ってきたメンバーです。20代だった私がもうすぐ50歳、10代だった末國九段がもう30代半ば。みんな白髪も増え、時の流れを感じました。

私は昨年仕事で全日本に出られなかったので、2年ぶりのブロック大会です。楽しみでもあり、また「勝てるかなぁ」という不安も感じました。なぜかと言うと、私は2001年に世界選手権の代表を辞退し、その後世界選手権の代表権を得ていません。全日本選手権も同じようなことになるのではないか、という嫌な予感を感じていました。

壁全面の大きな窓から外が見える開放的な会場で第1試合が始まりました。


1回戦
●宮田 徹 Miyata Tohru
○村上 健 Murakami Takeshi

20手目g4は以前世界選手権で外国選手(確かニッキー・ヤンデンビゲラー選手)が使っているのを見て知りました。なかなかうまい手で以降愛用しています。23はf5と固める方が良さそうです。28の第一感はg3だったのですが、黒b6の時に白b5と打てないのを嫌って切り捨ててしまいました。しかしやはり28では白g3→黒b6→白h6→黒h4→白g6!と引っ張るべきでした。これで白優勢です。29は悪手のお返し。ここは黒b6→白b5→黒a5!で互角。36は打ちにくい手ですが最善。相手の打ちたい場所に先打しています。b7がまたまた私の悪手。黒は45でどう打つべきでしょうか?

正解は5個空きに先着するg7。棋譜の右下にあるPutの左の□をクリックると盤面の色が変わり、好きな場所に打てるようになります。ぜひ45をg7に打ってみて下さい。

この形は、白が右下に先着すると4個空きのために黒が手止まりを打ち、白はh3と右辺を取ることになります。白が左下の3個空きに先着しても、以下「黒??→白??→黒a3」と黒は左辺の手止まりを打つため、結局白は前述の手順で白h3まで右辺を取らざるを得ません。そこからは一本道で黒a2→白b2→黒a1→白パス→黒h1→白パス→黒g2→白h2となり、黒は上辺と第2行を両方取って勝つのでした。白が左辺の3個空きに打たずにa3と打った場合でも、黒a7→白??→黒??で結局白は右方面に打たざるを得ず、白h3まで右辺を取った時点で黒a2と左辺を取られると白はb2が指定打ち。やはり上2行を取られてしまいます。

45g7と打った局面でこの展開を避けて白が勝つ手が一つだけあります。ぜひ考えてみて下さい。

正解は白a6! 以下黒a5なら白a3で、黒はa7に打たざるを得ません。黒a7と打たせて第7行を黒一色にして白はh7! 以下黒h5でもh6でも白はh8。これで右下4個空きの手止まりを白が打つことで白は辛うじて勝つことができるのでした。

そんな緊迫した形勢であるとは露知らず、私は形勢を楽観し宮田二段は形勢を悲観していたようです。45が24石差損の実質的な敗着でした。

隣でこの試合を見ていた末國九段は局後にすぐ「白厳しかったのではないですか?」と指摘。対局者二人と違って形勢互角であることを見抜いていました。流石です。

2局目以降はまた後ほど。

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