行列のできる法律相談所

名人戦の夜に初代ワールドカップチャンピオンの伊藤純哉七段がテレビ「行列のできる法律相談所」に出演しましたね!

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ビデオによる伊藤七段の紹介のあと、腕試しに東大卒のテレビ局スタッフと対戦した様子が放送されます。見事に盤面全て埋めてのパーフェクト勝ち!

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スタジオに登場した伊藤七段に司会の東野さんが「職業は?」「年齢は?」「彼女いるの?」等質問するのですが、伊藤七段は「それはちょっと」と全てノーコメント。

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東野さんの「俺の質問に答えないのかよ!?」という感じの呆気に取られた表情が面白かったです。

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ちなみに伊藤七段の着ていたTシャツは、1月のワールカップの時にシンガポールのラッフルズホテルで買ったTシャツでした。

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次にスタジオに置かれたオセロ盤を使っての2面打ち。相手は元NHKアナウンサーの住吉美紀さんと、俳優の上遠野太洸さん。

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もちろん最初は伊藤七段の石(白)が少なく、挑戦者有利か?と思わせます。しかし見る見るうちに白石が増えていき…

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住吉さんの黒石は0個に!

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上遠野さんとの試合はかなりパーフェクトにするのが難しいように見えたのですが…

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巧妙な打ち回しで見事に伊藤七段のパーフェクト勝ち!

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渡部さんから世界一を認定するバッジをもらった伊藤チャンピオン。とても楽しい番組でしたね。伊藤さんお疲れ様でした!

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名人戦

日曜日は名人戦に参加しました。初めての大阪開催です。私は家庭の事情で日帰り参加。朝6:00時品川始発の新幹線に乗って行き、大会終了後は新大阪6:30発の新幹線で帰りました。

白を持った時のバリエーションを増やそうとここ数大会は縦取りを試みていたのですが、付け焼刃ではなかなか勝てません。今日は白を持ったらいつもの斜め取りで行こうと決めていました。伏石で勝った時は白を選び、負けた時も相手が皆引き分け勝を選んだので、結果的に7試合全て得意の白番を持つことができました。


1回戦
●山川高志 Yamakawa Takashi
○村上 健 Murakami Takeshi

いきなり山川王座と対戦! 途中までなかなかうまく打てたのですが、40が悪手。ここは平凡に白g3と埋めるべきでした。以下黒h4→白g5→黒h6でc7~g3の斜めラインを白通しにするのが正しい構想で、その後白f8→黒g8→白f7→黒g6→白h1→黒b2→白b7!できれいに詰めることができます。残念ながらここまで読むことができず実戦は40白b7。以下b1に白から打てない1個空きを作らされて苦戦です。黒49はb8が第一感ですが、左下の白連打が含みになって後が難しそうです(黒+10)。長考の末に山川七段は黒h2! 「双方が打てる左下の3個空きに白から先着させる」「黒からしか打てないh2の1個空きを潰す」「右辺をただで白に与えてしまう」というマイナス面ばかり目につく手ですが、あとはほぼ一本道で黒の4石勝ちです。勿論山川七段は勝ちを読み切っての着手で、その着想と正確な読みに感嘆しました。



2回戦
●中山貴博 Nakayama Takahiro
○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から徐々に白が良くなったのですが、26がその優勢を失う悪手。ここは2方向に石を返すもののc5が最善でした。ところが27が悪手のお返し。ここはc5に埋め、以下白g6→黒e7!なら互角の展開でした。実戦27→28の交換は「外と内」の交換になっており黒の損。以降は白勝勢です。



3回戦
●堀内惠子 Horiuchi Keiko
○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から徐々に白が優勢に。黒は上辺と右辺に作った形が悪く、粘れない形になってしまいました。



4回戦
●佐藤裕貴 Sato Hirotaka
○村上 健 Murakami Takeshi

黒21~29が好手順。途中でうまい変化もなさそうです。30で長考したのですが結局b3へ。しかしこれが疑問手だったようです。皆さんが白だったら30でどう打ちますか?

正解は白f7→黒b8→白d8→黒g8→白b3。これが実にうまい手順で、次に黒g6なら白f3。黒e2やf2なら白g7!がうまく黒はホワイトラインを切ることができません。実戦は32でd8なら黒f7!で困ります。32~34は苦し紛れの手順。次黒g8で白負けを覚悟していたのですが…。少考の後に打たれた35f2が痛恨の敗着! 36と打たれると、黒がどう打ってもいずれ左下が白の連打になってしまいます。



5回戦
●土屋圭史朗 Tsuchiya Keishiro
○村上 健 Murakami Takeshi

対戦前に土屋三段が「シマスケです」。なんと、私が常々お世話になっている「ピースケの終盤練習」の作者だったのです! ソフトに対するお礼を言ってから対局開始。序盤から未知の展開になりました。私の22はやり過ぎの悪手。ここは白c6→黒c7→白a6で白優勢でした。25はg3が嫌でした(白e1に打ちにくくなる)。30でf1は以下黒c1→白b1→黒g3でまずいと思ったのですが、実はそこで白f7!と打つ好手があって白優勢でした。34でc7は黒d8!で息が詰まります。双方残り時間が少なく悪手を打ち合って48まで。ここで黒はどう打つべきでしょうか?

正解は黒h1! 以下白g1→黒h5→白a1→黒a2!→白a6→黒b7!→白h7→黒h8→白a8→黒g8→白g7。これで黒の引き分け勝ちでした。



6回戦
●松本大志 Matsumoto Hiroshi
○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から互角の接戦が続いて迎えた白46手目。ここで私の打った白g7は黒a4を強制して白h7に打つ狙い。この手は最善手だったのですが、あとの打ち方が難しくなりました。もう一つの最善手は46白e1! これなら黒の方が打ち方が難しく(普通に黒f1だと白g7で白2石勝ち形勢)、白有望局面でした。この48で白e1は遅く、黒h7!で大敗です。「なんで46でe1に当てておかなかったんだろう」と後悔したのですが、実は先ほども書いた通り46でe1もg7も同価値で引き分けの形勢。49はこの一手でこれで黒勝ちと私も松本六段も信じていたのですが、実は2石損の緩着(正解は黒h4)。つまり黒49と打たれた局面は白の2石勝ち形勢なのです。皆さんも白がどう寄せたら勝てるのかぜひ考えてみて下さい。

正解は白g1→黒h4→白a2! 白g1は第一感ですが、黒h4となった時に白はh2ぐらいしか思いつきませんでした。それでは白足りないので初手g1を切り捨ててしまったのです。白50での最善手順は白g1→黒h4→白a2!→黒h8→白g8→黒h2→白f1!→黒a1→白b2→黒g2!→白h1。白2石勝ち。なんともうまい寄せ手順です。これで2敗目を喫し、王座戦の出場権(5勝以上)を得るには次の試合を勝つことが必須となりました。



7回戦
●北野大地 Kitano Daichi
○村上 健 Murakami Takeshi

王座戦の出場権を賭けた4勝者同士の最終戦。相手は前日の名人戦中学生部門で優勝した北野三段。序盤はやや有利だと感じたのですが27が絶好手。この手を予想して26ではg3に打つべきでした。28~30は苦しい粘り。31は疑問。せっかく作らせた白から打てない1個空きを潰し、h4の黒石のせいで黒が左下方面に打ちにくくなっています(斜め右方面の白石も返るため)。ここは単にc7が良さそうです。敗着は恐らく33。黒d1→白b1の交換を入れてしまったために38が絶好手になってしまいました。上辺の交換なしに同じ進行なら白はd7に打てません。これならまだまだ先の長い試合でした。38となると黒がどう打っても偶数理論が効く形。46~48が偶数理論を維持する簡明な寄せ手順です。

初戦でいきなり負けてしまったのは残念でしたが、5勝2敗で王座戦の出場権を獲得できて非常に嬉しかったです。優勝は末國九段。中盤から終盤にかけての末國九段の構想の立て方は全く素晴らしいと思います。ぜひタイで頑張ってほしいですね!

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