対栗田七段戦
先日の川越順位選の2回戦です。
●村上 健 Murakami Takeshi
○栗田誠矢 Kurita Seiya
この試合は23があまり良くなかったようです。敗着は31のg3。ここは黒d8がまだましでした。実は39黒d8までを読んで黒打てると思っていたのですが、その時に白d1が好手になることを見落としていました。終盤は白の独壇場です。
●村上 健 Murakami Takeshi
○栗田誠矢 Kurita Seiya
この試合は23があまり良くなかったようです。敗着は31のg3。ここは黒d8がまだましでした。実は39黒d8までを読んで黒打てると思っていたのですが、その時に白d1が好手になることを見落としていました。終盤は白の独壇場です。
Brightwell vs Caspard 戦 解答
随分と遅くなってしまいましたが、Brightwell vs Caspard戦の解答を。
Brightwell(黒)vs Caspard(白) 白番
オセロで勝敗を分ける要素は沢山ありますが、「相手の好手を事前に察知できるか否か」というのは非常に大切なポイントです。私も全盛期には相手の手を徹底的に読んで消去法で自分の着手を決めることが多々ありました。もちろん今でもそのスタイルは変わらないのですが、残念ながら相手の好手を見逃して負けることも多くなりました。この局面も、もし実戦で現れたら間違えてしまいそうです。
正解はyastyさんのコメントにあった通りc8です。しかしCaspardは初手f8に打ってしまいました。
一見これで白が勝てそうなのですが、次のBrightwellの手が痛烈!
これが実にうまい手です。白はa1と隅を取るしかありませんが、この交換で出来たb3の黒石を利用して黒はb7と打ちます。
これでもはや白には打つ手がありません。白c8には黒a8、白b8には黒c8、白a7には黒b8!が好手で、白はブラックラインを切ることができないのです。
黒番
初手c8ならば偶数理論が利いて白の勝ちでした。
Brightwell(黒)vs Caspard(白) 白番
オセロで勝敗を分ける要素は沢山ありますが、「相手の好手を事前に察知できるか否か」というのは非常に大切なポイントです。私も全盛期には相手の手を徹底的に読んで消去法で自分の着手を決めることが多々ありました。もちろん今でもそのスタイルは変わらないのですが、残念ながら相手の好手を見逃して負けることも多くなりました。この局面も、もし実戦で現れたら間違えてしまいそうです。
正解はyastyさんのコメントにあった通りc8です。しかしCaspardは初手f8に打ってしまいました。
一見これで白が勝てそうなのですが、次のBrightwellの手が痛烈!
これが実にうまい手です。白はa1と隅を取るしかありませんが、この交換で出来たb3の黒石を利用して黒はb7と打ちます。
これでもはや白には打つ手がありません。白c8には黒a8、白b8には黒c8、白a7には黒b8!が好手で、白はブラックラインを切ることができないのです。
黒番
初手c8ならば偶数理論が利いて白の勝ちでした。
川越順位戦
ブライトウェルvsカスパールの解答はまた後日にして(yastyさんのコメント、正解です!)、今日参加した川越順位戦の棋譜を載せます。
1回戦
●田山 翼 Tayama Tsubasa
○村上 健 Murakami Takeshi
19はh4なら互角でした。中盤は白かなり優勢になったのですが38が悪手! ここはやはりa4に当てるべきでした。そこで黒h5に打たれると左上の白から打てない5個空きもあって自信がなかったのですが、白にはc8、c7と2手安全な手があるのでこの展開で十分でした。39が実質的な敗着。ここは黒e8!が最善。以下もし白がg8と取れば黒h4→白h1→黒h7…で黒2石勝ちの形勢。黒e8→白g8の交換を入れることによって白a4の手がなくなり(打つと斜めも返る)、白c8にはすぐ黒c7と打てることが大きいのでした。39e8に対しては下辺を放置して白h1でまだ白やや優勢のようですが、これなら黒に十分勝つチャンスがありました。40以降は白が明らかに優勢となりました。
2回戦は栗田誠矢七段に完敗。さすが今年の世界選手権第3位。強いです! (対戦相手の希望により棋譜は掲載せず)
3回戦
●原田星児 Harada Seiji
○村上 健 Murakami Takeshi
中盤以降やや白優勢ながらなかなか決め手が見つかりません。38では白b7のストーナーが第一感だったのですが、以下黒h4→白e8→黒a8→白h8→黒a7となってb8も黒のものになります。これは自信が持てずに切り捨ててしまいました。しかしやはりこの展開で黒a7以降白h7から寄せて行くのが最善でした。39が実質的な敗着。ここはg2ならまだ難しい形勢でした。
4回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○永松良太 Nagamatsu Ryota
この試合は下辺e8の一個空きに黒から打つべきか白に打たせるべきか分からず困りました。どうやら白から先打して黒に下辺を取らせた方が白は良かったようです。39も迷いました。黒b7→白e3→黒b8→白a8→黒a7→白f1…は偶数理論で駄目だろうと却下。この判断は正しかったようです。しかし本譜39も以降43まで一本道。黒は2辺取っても偶数理論は白にありそうです。長考の後にやはり39を決断。44で白も長考。白e3は黒e2→白g7→黒c2!で中を取られて足りないという判断でg7へ。44e3では足りないという判断は正しかったのですが、46までで白が偶数理論で足りる、という判断は間違っていました。47で黒はどう打ちますか?
47~49が絶好手順! 以下白がどう打っても第2行の黒一色が災いして白b2→黒a1→白パス→黒a2という左上連打が成立してしまいます。例えば途中どこかで白がg2に打っても黒g1!です。翻って44ではf1が最善で引き分けの形勢でした。
5回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○上倉大亮 Kamikura Daisuke
非常に難しい局面が続いた試合で、途中で残り時間がかなり厳しくなりました。実質的な敗着は36。37のX打ちが好手で比較的簡明な黒の優勢局面になってしまいました。36でa2ならまだまだ難しい形勢でした。36a2以下の最善手順は黒c1→白d1→黒g1→白d8→黒a7…で黒4石勝ちの形勢ですが、これなら白にも十分勝機がありました。56は右上連打を与えた悪手で、f8の方が得でした。
6回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○佐脇裕輔 Sawaki Yusuke
この試合は16手目あたりから30手目ぐらいまでほとんど黒に選択の余地がなく、白の注文のままに進んでしまいました。そのため「相手の研究範囲にハマってしまったか?」と非常に怖い思いをしました。しかしゼブラの判定ではほぼ互角の展開のようです。31では実戦のように黒c4→白c3→黒b3!と打つ展開と、黒c3→白c4→黒b4と打つ展開のどちらがベターなのか迷いました。実戦の方で良かったようです。36はd2が最善で引き分けの形勢。その後も難かしい終盤が続きます。黒は49でどう打つべきでしょうか?
正解は実戦のb2。これが唯一黒の勝てる手です。白は52でf1だと黒g2とブラックラインを通されてしまうのが致命傷になりました。
結局栗田七段には完敗だったものの、後を全勝して5勝1敗・準優勝でした。今年最後の大会で好成績を取れて非常に嬉しいです。大会後にはビンゴ大会もありました。
来年は3日の品川ニューイヤーズカップに参加予定です。
1回戦
●田山 翼 Tayama Tsubasa
○村上 健 Murakami Takeshi
19はh4なら互角でした。中盤は白かなり優勢になったのですが38が悪手! ここはやはりa4に当てるべきでした。そこで黒h5に打たれると左上の白から打てない5個空きもあって自信がなかったのですが、白にはc8、c7と2手安全な手があるのでこの展開で十分でした。39が実質的な敗着。ここは黒e8!が最善。以下もし白がg8と取れば黒h4→白h1→黒h7…で黒2石勝ちの形勢。黒e8→白g8の交換を入れることによって白a4の手がなくなり(打つと斜めも返る)、白c8にはすぐ黒c7と打てることが大きいのでした。39e8に対しては下辺を放置して白h1でまだ白やや優勢のようですが、これなら黒に十分勝つチャンスがありました。40以降は白が明らかに優勢となりました。
2回戦は栗田誠矢七段に完敗。さすが今年の世界選手権第3位。強いです! (対戦相手の希望により棋譜は掲載せず)
3回戦
●原田星児 Harada Seiji
○村上 健 Murakami Takeshi
中盤以降やや白優勢ながらなかなか決め手が見つかりません。38では白b7のストーナーが第一感だったのですが、以下黒h4→白e8→黒a8→白h8→黒a7となってb8も黒のものになります。これは自信が持てずに切り捨ててしまいました。しかしやはりこの展開で黒a7以降白h7から寄せて行くのが最善でした。39が実質的な敗着。ここはg2ならまだ難しい形勢でした。
4回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○永松良太 Nagamatsu Ryota
この試合は下辺e8の一個空きに黒から打つべきか白に打たせるべきか分からず困りました。どうやら白から先打して黒に下辺を取らせた方が白は良かったようです。39も迷いました。黒b7→白e3→黒b8→白a8→黒a7→白f1…は偶数理論で駄目だろうと却下。この判断は正しかったようです。しかし本譜39も以降43まで一本道。黒は2辺取っても偶数理論は白にありそうです。長考の後にやはり39を決断。44で白も長考。白e3は黒e2→白g7→黒c2!で中を取られて足りないという判断でg7へ。44e3では足りないという判断は正しかったのですが、46までで白が偶数理論で足りる、という判断は間違っていました。47で黒はどう打ちますか?
47~49が絶好手順! 以下白がどう打っても第2行の黒一色が災いして白b2→黒a1→白パス→黒a2という左上連打が成立してしまいます。例えば途中どこかで白がg2に打っても黒g1!です。翻って44ではf1が最善で引き分けの形勢でした。
5回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○上倉大亮 Kamikura Daisuke
非常に難しい局面が続いた試合で、途中で残り時間がかなり厳しくなりました。実質的な敗着は36。37のX打ちが好手で比較的簡明な黒の優勢局面になってしまいました。36でa2ならまだまだ難しい形勢でした。36a2以下の最善手順は黒c1→白d1→黒g1→白d8→黒a7…で黒4石勝ちの形勢ですが、これなら白にも十分勝機がありました。56は右上連打を与えた悪手で、f8の方が得でした。
6回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○佐脇裕輔 Sawaki Yusuke
この試合は16手目あたりから30手目ぐらいまでほとんど黒に選択の余地がなく、白の注文のままに進んでしまいました。そのため「相手の研究範囲にハマってしまったか?」と非常に怖い思いをしました。しかしゼブラの判定ではほぼ互角の展開のようです。31では実戦のように黒c4→白c3→黒b3!と打つ展開と、黒c3→白c4→黒b4と打つ展開のどちらがベターなのか迷いました。実戦の方で良かったようです。36はd2が最善で引き分けの形勢。その後も難かしい終盤が続きます。黒は49でどう打つべきでしょうか?
正解は実戦のb2。これが唯一黒の勝てる手です。白は52でf1だと黒g2とブラックラインを通されてしまうのが致命傷になりました。
結局栗田七段には完敗だったものの、後を全勝して5勝1敗・準優勝でした。今年最後の大会で好成績を取れて非常に嬉しいです。大会後にはビンゴ大会もありました。
来年は3日の品川ニューイヤーズカップに参加予定です。
ブライトウェルvsカスパール
りんかいチャンレンジカップ
昨日はりんかいチャンレンジカップのアドバンスト部門に参加しました。この大会は初めて参加したのですが、三段以上の選手だけ参加できる部門ということで、強豪選手と多数対戦できたのが良かったです。4勝2敗第3位となかなかの好成績を取ることができました。詳しい解説をする時間がないので、一言コメントと棋譜を載せておきます。
1回戦
●時 優瑚 Toki Yugo
○村上 健 Murakami Takeshi
ずっと大苦戦だったのですが49が痛恨の敗着。f8を空けて右下を3個空きで残しておけば、白は偶数理論から白h8→黒h7→白f8と打つことになります。この手順ならば右辺に黒の確定石3個(h5、h6、h7)が残るため、h7に打たされて右辺を全て白に取られてしまった実戦よりも明らかに得でした。
2回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○三屋伸明 Mitsuya Nobuaki
30が疑問。31が好手で黒e3、g6と2箇所に黒の好手が残ってしまいました。41が勝負を決める好手。
3回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○中島哲也 Nakajima Tetsuya
16でh4なら互角でした。実戦16が悪手で以後白が大苦戦に。
4回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○宮崎裕司 Miyazaki Yuji
これは非常に面白い好局です。53と打った時点では黒の勝ちだと思っていたのですが、そこで絶好調宮崎五段のマジックが出ます。54が局面を混迷させる好手! そこでまんまとマジックにハマった55が敗着。ぜひ読者の皆さんもこのあたりの局面を読んでみて下さい。オセロの終盤の醍醐味が味わえることと思います。
5回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○高梨悠介 Takanashi Yusuke
得意の種石切りで強引に攻めたのですが、流石3回目の世界チャンピオンとなったばかりの王者高梨九段。隙がありません。私の完敗に…。
6回戦
●小塚勝彦 Kozuka Katsuhiko
○村上 健 Murakami Takeshi
ワールドカップ日本代表を決め、「長くやっていればたまには良いことがあるのですね」という小塚五段。全くその通り。同世代のベテランの活躍は嬉しいものですね。ワールドカップでは3日目のベスト8出場を目指して頑張って欲しいです。さてこの試合は途中随分白が良いような気がしたのですが、30~34の打ち方がまずく好手35で形勢不明に。敗着は43。ここは黒h2なら僅かに黒優勢でした。44以降は一本道で白の勝勢になりました。
1回戦
●時 優瑚 Toki Yugo
○村上 健 Murakami Takeshi
ずっと大苦戦だったのですが49が痛恨の敗着。f8を空けて右下を3個空きで残しておけば、白は偶数理論から白h8→黒h7→白f8と打つことになります。この手順ならば右辺に黒の確定石3個(h5、h6、h7)が残るため、h7に打たされて右辺を全て白に取られてしまった実戦よりも明らかに得でした。
2回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○三屋伸明 Mitsuya Nobuaki
30が疑問。31が好手で黒e3、g6と2箇所に黒の好手が残ってしまいました。41が勝負を決める好手。
3回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○中島哲也 Nakajima Tetsuya
16でh4なら互角でした。実戦16が悪手で以後白が大苦戦に。
4回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○宮崎裕司 Miyazaki Yuji
これは非常に面白い好局です。53と打った時点では黒の勝ちだと思っていたのですが、そこで絶好調宮崎五段のマジックが出ます。54が局面を混迷させる好手! そこでまんまとマジックにハマった55が敗着。ぜひ読者の皆さんもこのあたりの局面を読んでみて下さい。オセロの終盤の醍醐味が味わえることと思います。
5回戦
●村上 健 Murakami Takeshi
○高梨悠介 Takanashi Yusuke
得意の種石切りで強引に攻めたのですが、流石3回目の世界チャンピオンとなったばかりの王者高梨九段。隙がありません。私の完敗に…。
6回戦
●小塚勝彦 Kozuka Katsuhiko
○村上 健 Murakami Takeshi
ワールドカップ日本代表を決め、「長くやっていればたまには良いことがあるのですね」という小塚五段。全くその通り。同世代のベテランの活躍は嬉しいものですね。ワールドカップでは3日目のベスト8出場を目指して頑張って欲しいです。さてこの試合は途中随分白が良いような気がしたのですが、30~34の打ち方がまずく好手35で形勢不明に。敗着は43。ここは黒h2なら僅かに黒優勢でした。44以降は一本道で白の勝勢になりました。
さいたまオープン解答
こしあんさん、はせらさん、そしてNO NAMEさん、コメントありがとうございます! では正解を。
黒番。最善手順は?
一手目はh1です。次に白の選択肢は3つありますが、b2は黒e1から黒a1→a8→b7の連打で白勝てません。従って白の手はg1かh2ということになります。
白がg1に打った場合黒はh2に打ちます。ここで白b2は、やはり黒e1から黒a1→a8→b7の連打で駄目なので白はe1の一手。そこで黒b2が好手。
これで黒はb7という大きな手止まりを残して快勝です。
従って2手目の白はh2が正解。こう打たれると黒は上辺をどう埋めていってもいずれ白b2と打たれ、ホワイトライン(a1~h8の斜めライン)の白通しのためにa1の隅を取れず勝てないように見えます。
そこで黒b7→白a8でe4の黒石を白くしてもらい、黒b1!でg6を黒くして黒g1→e1の連打を狙う、という発想が生まれれば正解に近付きます。
しかし3手目ですぐに黒b7には白b2!が好手。黒がg列を返しつつg1に打つには白a8→黒b1の交換を実現しなければなりませんが、黒番でかつ白にa8の余裕手が残っているこの状況では、白a8→黒b1の交換をすぐに強制することはできません。唯一黒e1→白g1→黒a1とすれば白a8を強制できますが、その段階では既に黒b1の手の価値がなくなっているのです(g1が既に埋まっているため)。
「黒b7の時に確実に白a8と取ってもらうにはどうしたら良いか?」と考えて初めて3手目の正解にたどりつきます。それは黒b2!
白はa1と隅を取るしかありません。あとは一本道です。
e4の黒石を白くしてもらうために黒b7。
指定打ちの白a8。
g6を黒くするために黒b1。
指定打ちの白c1。
遠大な計画を実現した黒g1。
白はパスで手止まりは黒に。黒2石勝ち。
黒番。最善手順は?
一手目はh1です。次に白の選択肢は3つありますが、b2は黒e1から黒a1→a8→b7の連打で白勝てません。従って白の手はg1かh2ということになります。
白がg1に打った場合黒はh2に打ちます。ここで白b2は、やはり黒e1から黒a1→a8→b7の連打で駄目なので白はe1の一手。そこで黒b2が好手。
これで黒はb7という大きな手止まりを残して快勝です。
従って2手目の白はh2が正解。こう打たれると黒は上辺をどう埋めていってもいずれ白b2と打たれ、ホワイトライン(a1~h8の斜めライン)の白通しのためにa1の隅を取れず勝てないように見えます。
そこで黒b7→白a8でe4の黒石を白くしてもらい、黒b1!でg6を黒くして黒g1→e1の連打を狙う、という発想が生まれれば正解に近付きます。
しかし3手目ですぐに黒b7には白b2!が好手。黒がg列を返しつつg1に打つには白a8→黒b1の交換を実現しなければなりませんが、黒番でかつ白にa8の余裕手が残っているこの状況では、白a8→黒b1の交換をすぐに強制することはできません。唯一黒e1→白g1→黒a1とすれば白a8を強制できますが、その段階では既に黒b1の手の価値がなくなっているのです(g1が既に埋まっているため)。
「黒b7の時に確実に白a8と取ってもらうにはどうしたら良いか?」と考えて初めて3手目の正解にたどりつきます。それは黒b2!
白はa1と隅を取るしかありません。あとは一本道です。
e4の黒石を白くしてもらうために黒b7。
指定打ちの白a8。
g6を黒くするために黒b1。
指定打ちの白c1。
遠大な計画を実現した黒g1。
白はパスで手止まりは黒に。黒2石勝ち。