パリオープン第7局

いよいよ一日目の最終戦です。ここで勝てば5勝2敗の上位集団で折り返し。負ければ4勝3敗なので非常に重要な一戦。ちなみにパリオープンは一日目に7試合、二日目の午前中に4試合の合計11試合を打ち、上位2名が午後の決勝三番勝負に、3位と4位の選手が午後の3位決定戦に進みます。

相手はフランスの柏原拓志選手。グルノーブル大学の数学の先生で、世界選手権フランス代表の常連で、何度も世界選手権の上位に入賞しているトッププレイヤーです。2年前のパリオープンでは私と柏原さんで3位決定戦を争い、2連勝で私が勝っています。朝会場で会ったときに「私のブログで色々と助言して下さりありがとうございました」とフランス語で話しかけたところ、ちゃんと通じました! しかし日本人同士なのにフランス語で話すのもなんとなく不自然なので、その後は日本語で話しました。



●柏原拓志 Kashiwabara Takuji
○村上 健 Murakami Takeshi

25ではc1と上辺を取るのも有力です。白やや優勢の中盤ですが、34が敗着! 読者のみなさんもぜひ33まで進めて次の白の手を考えてみて下さい。盤面右下のPutの左にある□をクリックすると盤面の色が変わり、自分で好きな手順を進めたり戻したりできるようになります(もう一度同じ□をクリックすると元の局面に戻ります)。ぜひこの機能を使って以下の解説の内容を確かめてみて下さい。

私の第一感は白e8だったのですが、以下黒d7→白g8→黒h8→白f8の時に黒にb5やb6の手が出来てうまくいかないと考えてしまったのです。しかし更に先を読めば黒b5orb6→白h7→黒c1→白b1→黒c2までほとんど一本道。次は白番ですが左辺方面を普通に処理し、手に困れば白h3→黒h4→白g2で右上の手止まりも打てるので、これで細かく白に残っていました。黒としては右下を保留し、初手白e8→黒d7→白g8→黒c1→白b1→黒c2→白f8→黒b6と進めるのが最善ですが、これも次に白a6でやや白良しです。ただ、このような展開で白に残ることを読み切るのはかなり難しく、対戦中の私は全く確信が持てませんでした。

一番の判断ミスは、白f8となって黒にb5あるいはb6と打たれる形と、実戦のように白b5→b6と左方面を白が連打する展開を比較した時に、後者の方が白にとっては好ましいと判断してしまったことです。実際には白b5→b6と連打した代わりに黒にもa6→a5と連打を許すことになり、白にとってこの展開は好ましくなかったのです。左辺37、39の連打以降は黒優勢。終盤の柏原さんの着手は非常に正確で付け入る隙がありませんでした。終局後「白はどこが悪かったのでしょうか?」と聞くと柏原さんはすぐに「34はe8の方が良かったのではないですか?」と答えました。流石です!

221.jpg
対局風景。左が柏原選手。立って観戦しているのは堀内恵子五段。


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